ボクのはなしを聞いてください…

でこなる横丁

2020年05月26日 08:30

おはようございます。
でこなる横丁・でこなる座の伊藤です。


『でこなる横丁』クラウドファンディング挑戦に対してご意見をいただくことが多くなりました。今回の企画についてボクの思うところをお伝えしたいと思います。

最も多いコメントは
「応援しています」「頑張ってください」系です。嬉しいですね。ありがとうございます。
次に多いのは
「リターン品が足らない」
「他のさき売りチケット系の企画ではリターンが支援金額と同等かそれ以上なのに…」です。

よく理解できます。そのとおりです。
実は“さき売りチケットで支援額満額”案は最初からありました。
ですが、さき売りチケットは様々なリスクを含んだアイテムです。

でこなる横丁の店主たちは、慎重に、お客様のことを第一に考えて、
この企画より前の段階から、さき売りチケットの積極的な販売にOKを出さなかった。
たいへんな状況に追い込まれながらも、自己中心的な発想に陥ること無く、
お客様にとっての安全性やチケット利用のリスク回避を第一に考える姿勢に感銘を受けました。
だから、店主たちへの支援金割合を高く設定した、クラウドファンディングとなったのです。
*他のさき売りチケットを否定する意味は全くありません。あくまでボクの話です



ここから下は長くなりますし、ボクのことがちょっとでもイイ人と感じている人は読まなくても良いですよ。
愚痴に聞こえるかも知れないから…

ボクはさき売りチケットは“売上さき取りチケット”“利益さき売りチケット”と考えます。
現時点を乗り越えるためとはいえ、ビジネスは長期戦ですので、今が良くても後に苦しいのでは効果がありません。
今をしのぐ売上を確保し、それを元手に食いつないだとしても、その先につながらなくては、結果としてお客様に御迷惑をおかけする事態にもなりかねません…
こんな例があります。(ボクは以前はスーパーマーケット経営に携わっていましたので)
小売業ではお客様のお買上げに対する“ポイント付与”はかねてより当たり前ですね。
ポイントはいずれ使える“お金に等しいもの”です。
お店側は与えているという感覚ですが、経営ではお客様に対する“負債・借金”です。
(最近は減りましたが)どんどん与え続けると負債が膨らむこととなり、
あるときみんなが一斉にポイントだけでお買い物をしたりすると、現金収入がなくなって仕入れができなくなったりするわけです。
仕入れ問屋にポイント支払いなんて受け入れてもらえないですから…

 北海道にあった大きな百貨店でこんな広告が出ました
「貯まっているポイントを期限日までに使ってください。
期限日以降はシステムが変更になるためポイントが使えなくなります」と
 当たり前ですが、お客様はあわててすべてのお買物を”ポイントで”しようと動きます。
商品はドンドン減るけれども現金が入ってきません。
通常小売業では回転差資金を活用しています
①仕入れした商品は手元にあり、同時に買掛金を持っている⇒②商品を売ると現金が入ってくる⇒③仕入先から回ってきた請求に対して支払いをする。
①から②を期間内に繰り返しながら売上拡大するわけですが、期間が来れば③のアクションが発生します。
③までは仕入先はドンドン商品を流してくれます。
この百貨店はポイントで買い物された結果
商品が減るので追加仕入れを繰り返し行い、買掛金が貯まったところで、
現金支払いができず…倒産してしまいました。
つまりは今回の売上と利益の先取りとよく似ているのです。
さき売りチケットという負債を抱えていて、利用するタイミングに現金収入がなくなってしまうというリスクを抱えているのです。
でこなる横丁の店主たちはこの辺りを真剣に慎重に考えたわけです。
さき売りチケットを売ることよりも、できることがあるのではないか。と
商売は一時しのぎではない。ということが分かっているのだと。ボクは感じました。

幸い、高山市をはじめとして国や県からも様々な補助・支援策が続々と現れて来て、
今をしのぐという切迫感はやや弱まりましたが、この後の不安感は消えません。
必要なのは「でこなる横丁」にお客様が戻って来てくれること。
その方向性を強調しつつ組み立てたのが、今回のクラウドファンディングです。

ボクらの挑戦しているCAMPFIREでも
さき売りチケット系のクラウドファンディングが多くなりました。
中には、支援金と同等以上のリターン金額があるものもあります。
もちろん、そのお得さを購入する=支援が集まることは事実ですし、良いと思います。
むしろ憧れ感さえ、あります。
ただ、最初に述べたように、今回の企画の趣旨からは
支援割合に重きを置いた。というところを知っていただけたらと思います。

店主たちが商いに対して真剣なのだ。ということを知っていただけたらと思います。

https://camp-fire.jp/projects/view/271289